妊娠初期というのは、色々な体調の変化が起こって不安になりますよね。
特に初妊娠ならなおさらで、便秘になるというのは妊娠初期の代表的な体調変化ですが中には茶おり(茶色いオリモノ)が出てしまい、それが一定期間続くという方もいらっしゃいます。
妊娠初期というのは赤ちゃんにとっては大事な時期です。脳や脊髄といったかなり重要な器官を作るのも妊娠初期ですから、ちょっとした体の変化であっても気になってしまうのは仕方ないことです。
ましてや、妊娠したことで生理は起こらないはずですからね。
こちらでは茶おり(茶色いオリモノ)が続く原因や、そこから推測できる体の変化についてお話していきたいと思います。
目次
おりものってそもそも何なのか
一般的に「おりもの」と呼ばれているのは、膣内を雑菌から守ってくれる分泌液のことです。
おりものに含まれているデーデルライン桿菌という乳酸菌の一種が、膣内を酸性に保つことで外部からの雑菌の侵入を防いでいるのです。これは大腸の善玉菌にも通じる話ですよね。
「おりもの」と言うとどうしても不潔なイメージが付きまといますが、ちゃんとおりものは私達の体を守るという大事な役割を果たしているんですね。
通常のおりものは大抵無色透明か白っぽいことが多いのですが、妊娠初期にはこれが茶おり(茶色いオリモノ)となり、それが続くということが起こるのです。
茶おり(茶色いオリモノ)が出る原因とは
茶おり(茶色いオリモノ)になる原因というのは、とりもなおさず「出血したこと」と「時間経過による酸化」です。
ちょうど怪我をした所に絆創膏を張り、ある程度時間が経過した後に絆創膏を剥がすと付着していた血液が固まって茶色くなっていますよね。茶おり(茶色いオリモノ)の原因もこれと同じで「出血したこと」と「時間経過による酸化」から起こります。
具体的にどこで出血しているのかというと子宮内膜の内側になるのですが、これもいくつか原因は考えられます。
胎盤の成長による茶おり
茶おりが出る原因として一番多いのは、赤ちゃんが育つ過程で子宮内の毛細血管が切れて出来た傷から出血したというもの。あるいは赤ちゃんが育つことで胎盤がずれて少量の茶おりが出ることもあります。
これは赤ちゃんが育っている証拠ということで嬉しいものですね。
どちらかというと初妊娠の人よりは経産婦のほうがこの茶おりが出やすいようです。
「前の子の時はこんなのでなかったのに・・・」
と思うかもしれませんが心配はいりません。
着床出血による茶おり
受精卵は7日~10日かけて徐々に子宮内膜に侵入していきますが、受精卵が子宮内膜に着床する時に傷をつけて出た血がおりものに混じったのが原因で茶おり(茶色いオリモノ)になるということも考えられ、これは着床出血と言います。
すべての妊婦さんが経験するわけではありませんが、30%という結構な割合の人が経験するものです。
時期としては高温期7日~10日頃で妊娠3週目くらいです。時期から着床出血による茶おりかどうかがある程度予測が出来ますね。
着床出血による茶おりの場合は、時に腹痛を伴うこともあります。
妊婦健診による茶おり
妊婦健診を終えた後に帰ったら茶おりが出ていたということもあります。
妊娠をすると膣や子宮内は普段よりも傷つくやすくなっていて、ちょっとした刺激でも出血してしまいます。胎盤が成長しているということもありますからね。
その傷つきやすくなっているところに、腹部エコーではなく超音波を使って子宮内エコーをするのが妊娠初期です。この超音波によって傷がついて茶おりになるのです。
検診で傷がついただけならすぐに止まるので心配はいりません。
絨毛膜下血腫による茶おり
絨毛膜下血腫という言葉は聞き慣れないかもしれませんが、字を見ただけで何となく恐ろしそうというのはわかりますよね。
受精卵が着床すると妊娠の準備を始め、絨毛と呼ばれる組織を子宮内膜へ伸ばして根を張って胎盤を作る作業をするのですが、絨毛が子宮内膜に伸びる過程で血管を壊すことによって引き起こされる出血のことを言います。
ただこれは多かれ少なかれ誰にもあることなのですが、その量が多かったり場所が悪いと絨毛膜下血腫になります。
絨毛膜下血腫による茶おり(茶色いオリモノ)は数日続くことがあったり、場所が子宮口に近かったりすると時には鮮血を伴うこともあります。
絨毛膜下血腫が起きていると、切迫流産だったり流産の原因にもなりうるので茶おり(茶色いオリモノ)が出たらまずお医者さんに見せに行ったほうが良いでしょう。それが数日続いて鮮血の出血となるならなおさらです。血腫かどうかは超音波検査でわかりますしね。
まあ絨毛膜下血腫には明確な対策がなく「安静にする」くらいしかやりようがないんですけどね。
子宮外妊娠による茶おり
下腹部痛を伴うような茶おり(茶色いオリモノ)があるなら、子宮外妊娠の可能性があります。
子宮外妊娠をした時、初期の症状だと自分ではわかりづらいところもありますので早々にお医者さんに見せることをオススメします。子宮外妊娠を放置すると茶おり(茶色いおりもの)が続くだけでなく
・立てない、歩けないほど経験したことのない腹痛
・妊娠が確認されたのに生理の多い日よりも多量の出血がある
・意識が朦朧としている
など、明らかに異常とわかるような症状を伴うこともあります。これはもう茶おりどころの話じゃないですけどね。
茶おりは子宮外妊娠のサインかも?と思って注意して見ましょう。
以上が、茶おり(茶色いおりもの)が続く原因の話になります。総じて言えるのは一時的なものであれば特に問題なく、続くようであればちょっと注意が必要ということですね。
特に妊娠中は子宮に血液が集中しますし、ちょっとしたことでも出血してしまいがちです。そしてその子宮から出血したものが時間が経過しておりものと一緒に放出されることで茶おり(茶色いオリモノ)が出て来るということなんです。
茶色いということは傷が古いものであることで鮮血でなければ全く安全ですし、むしろ赤ちゃんが育っている証拠とも言えます。ということで妊娠初期に茶おり(茶色いオリモノ)が出来るというのはよくあること。
もっといえば妊娠初期でなくとも胎児の成長によって茶おり(茶色いオリモノ)が出ることはあります。
しかし、やはり茶おり(茶色いオリモノ)が出た時はお医者さんに行ったほうがいいです。自己判断で大丈夫、と勝手に決めてしまうと上記のように意外な危険を引き起こしますからね。それが何日も続くのかどうかも分かりませんし。
妊娠初期というのはわずかな体調変化も気になるところですし、そういったことが気になるストレスや不安というのも妊娠初期の体にはよくありませんから、それを取り除く意味でもお医者さんに見せて安心するというのは良いと思いますよ。
それと、妊娠初期は便秘になりがちですね。便秘というものが赤ちゃんに及ぼす悪影響というのも計り知れないものがあります。
ただの便秘だからいつか治ると思って放置するのが一番危険。赤ちゃんが過ごす大事な時期を棒に振ってしまう可能性がありますからね。そちらも十分に注意しましょう。
>>妊娠初期の便秘を放置することの危険性の話の詳細はこちらです!!
まとめ:妊娠初期に茶おり(茶色いオリモノ)が続く原因は?
妊娠初期に茶おり(茶色いオリモノ)が続く原因についてお話してきましたが、まとめると
・一時的な茶おり(茶色いオリモノ)なら気にする必要はない
・数日間続くようなら絨毛膜下血腫や子宮外妊娠の可能性があるので注意が必要
ということですね。この話が、妊娠初期で不安に思っているお母さんのストレスや不安を和らげる事ができたら幸いです。