腸内環境を整えるアイテムとしてよく知られているオリゴ糖。
当サイトでも散々、ビフィズス菌を増やすためには食物繊維やオリゴ糖を取ることが重要という風に訴えてきているところですね。
オリゴ糖が腸内環境を整えてくれるということに関しては、論文など文献としていくつもそういった研究結果が発表されていることからも疑う余地はありません。
だからこそオリゴ糖は様々なところでシロップなどが市販されていて「腸内環境の改善に役立つ」と謳われているのですが、その一方でもしオリゴ糖に何か危険や副作用があるとしたらその点も公平にお伝えしなければなりません。
特に「オリゴ糖」という名前からもわかるように「糖質」の種類なわけですから、普通に考えると血糖値を上昇させてしまう危険とか、食べ過ぎるとカロリー過剰で太ってしまう副作用というのが考えられますよね。
でもオリゴ糖のカロリーは短鎖脂肪酸換算なのでその点は心配いりません。
じゃあオリゴ糖には他に副作用や危険はあるのか?ということをお話していきたいと思います。
目次
オリゴ糖の危険・副作用
オリゴ糖は「消化されにくい糖質」であるということはすでにお伝えしました。これを踏まえてオリゴ糖の危険や副作用についてお話していきましょう。
オリゴ糖を取りすぎると下痢の副作用
オリゴ糖は消化されづらい物質であるため、取りすぎると下痢を起こす危険があります。
牛乳を飲むとそれに含まれる「乳糖」の消化酵素を持っていなくて下痢になってしまう「乳糖不耐症」と同じようなものです。
消化できないものが多量に腸内に存在すると腸内の浸透圧が高くなり、それを和らげるために腸管壁から水分を放出することで便に水分が多くなり、下痢となるのです。
この浸透圧性の下痢はオリゴ糖に限らず
①水に溶ける
②小腸で吸収・分解されない
という条件を満たすものであれば何であれ引き起こされます。
例えばキシリトールも食べ過ぎたらおなかを壊すとして、ガムの成分表示のところに表記があります。これも浸透圧性の下痢ですね。
ただ結局は、取りすぎたら毒になるという当たり前の話をしているに過ぎません。
極端なことを言えば、生き物にとって必須の「水分」ですら過剰に摂取すれば毒になりますよね。
とはいえ、適量のオリゴ糖であっても少し下痢気味というか便が緩くなることはあります。しかし多くの場合、オリゴ糖を摂取し始めて数日間で収まります。
逆に「オリゴ糖を摂取して数日は便の調子が良かったのにすぐ元に戻ってしまった・・・」なんてことも有り得るのですが、これはオリゴ糖によって腸内の善玉菌が増えてうまく短鎖脂肪酸を作り出すことができるようになったということの証拠なのでそれほど心配には及びません。
オリゴ糖でおならが増えてしまう副作用
オリゴ糖を取り始めると、それまでよりもおならが多くなってしまうという副作用もよく報告に上がっております。
これは2つの原因があってそれぞれ分けて考える必要があります。それは
①オリゴ糖が悪玉菌のエサとして代謝されている
②善玉菌自身がオリゴ糖を代謝してガスを作っている
というものです。
①悪玉菌のエサとして代謝されている
オリゴ糖はビフィズス菌のエサの主たる存在ですが、その一方で悪玉菌のエサになることもあります。
これについて、ほかのサイトでは「オリゴ糖は悪玉菌のエサにはなりません!」って書いてたりして誤解があるようですが必ずしもそうではありません。オリゴ糖が悪玉菌のエサになってしまうこともあるのです。
オリゴ糖は善玉菌に限らず細菌に最も代謝されやすい糖類であるため、悪玉菌が代謝をすることもあります。
それはオリゴ糖を取り出したときの腸内細菌の勢力において善玉菌が優勢なのか、悪玉菌が優勢なのかによって違ってきます。
まあ「腸内環境を改善したい!」という動機でオリゴ糖を取る人の多くは悪玉菌が優勢になっているでしょうから、オリゴ糖を悪玉菌が代謝しておならが増えるということは十分に有り得ます。
ただしあくまでも腸内細菌の中でオリゴ糖を最も好むのは善玉菌の代表であるビフィズス菌です。例え最初は悪玉菌がオリゴ糖を食べていたとしても、徐々にビフィズス菌が増えていって優勢になれば自然と治まっていきます。
いわゆる最初だけ悪くなったように見える「好転反応」というやつですね。
②善玉菌がオリゴ糖を代謝してガスを作る
オリゴ糖を取り続けて善玉菌が優勢になったとしても、善玉菌自身がオリゴ糖を代謝することで発生するガスというのもあります。
善玉菌がオリゴ糖を食べることで発生するものの代表的な例は短鎖脂肪酸ですが、善玉菌はそれ以外にも二酸化炭素、水素、メタンガスといったガスを発生させるのでおならの原因になります。
食べることでおならが増えてしまう食べ物といえばさつまいもがよく知られているところですが、あれは正に善玉菌のエサとなって代謝された食物繊維やオリゴ糖から発生するガスのせいというわけです。
でもお肉などを食べたときのおならと違って、さつまいもを食べたときのおならって無臭ですよね。おならが増えてしまうのは少し考えものかもしれませんが、これは腸内環境が良い方向に向かっている証拠として良い方に捉えましょう。
オリゴ糖を取ることでの副作用や危険ということでしたが、総じて言えるのは一般の人が「副作用」とか「危険」と聞いて思い浮かべるほどの致命的なものは無いということですね。
そもそもオリゴ糖って、人が消化できない物質のはずなのになぜかお母さんの母乳に含まれているんですよ。
これは人間に限らず現存する哺乳類であれば全てに共通することで、「オリゴ糖を含む個体の方が生存に適していた」ということを意味しているのです。そのことからもオリゴ糖って、人間が生きる上で必要不可欠なんだってことがわかりますよね。
取り過ぎにだけ注意していれば、オリゴ糖がもたらす危険や副作用を上回るメリットをもたらしてくれると思いますよ。
まとめ:オリゴ糖を取りすぎると下痢などの危険・副作用がある?
オリゴ糖の取り過ぎによる危険や副作用についてお話してきたところですが、まとめると
・オリゴ糖を取りすぎると下痢になることがあるが、別にオリゴ糖に限ったことではない
・オリゴ糖を取ることでおならが増えることもあるが、それほどの危険性があるわけではない
ということですね。危険や副作用よりもオリゴ糖を取ることで腸内環境を整えられる方が総合的に見て体に良いことだと私は思います!
そうそう、オリゴ糖の副作用として「太るのかどうか」はきっと皆さんが一番気になる問題ですよね。
単純にカロリーだけで言えばオリゴ糖は砂糖の半分くらいですが・・・実は単純に半分だけ太りにくいというわけでもないのです。
ということで、次はオリゴ糖とカロリーについての意外な関係についてお話していきましょう。