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食品の成分表示を見ると「還元麦芽糖水飴」と書いてあるのをよく目にしますよね。

こうして漢字をつらつらと並べ立てられると何となく難しそうで萎縮してしまいがちですが、よく見ると「還元」「麦芽糖」「水飴」という風に分解することでそれほど難しい言葉ではないようにも思えてきます。

 

ただ、「水飴」はともかくとして「還元」と「麦芽糖」は考えてもあまり良くわからないかもしれません。

 

ということで、こちらでは「還元」と「麦芽糖」の意味と、還元麦芽糖の危険性、安全性、そこからわかる還元麦芽糖水飴とは何なのか?ということをお話していきたいと思います。

 

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還元麦芽糖とは

実は「還元麦芽糖」というもので1つの言葉を表しているのですが、それをちゃんと理解するには「還元」と「麦芽糖」の意味を知らなくてはなりません。

 

麦芽糖というのは「マルトース」とも言いますが、その名前の通り大麦を発芽させたものに多く含まれるのが由来になっています。

化学的に言うとブドウ糖(グルコース)2つが結びついた「二糖類」に分類される糖類です。

 

そしてこの麦芽糖を「還元」したものが還元麦芽糖と言います。「還元」というのは化学的には「水素を付加すること」を還元と言います。

 

麦芽糖(マルトース)は環状構造をしているグルコース2つが結合したものですが、その環状を構成しているーOー(エーテル基)に水素が付加されてーOH(アルコール基)に変わることで環状構造が崩れたものが還元麦芽糖です。その名前の通り「還元された麦芽糖」ですね。

 

マルトース

 

マルチトール

 

こうして還元されて出来た還元麦芽糖はマルチトールとも言われ、これは糖アルコールの一種です。キシリトールなども糖アルコールの仲間ですね。

麦芽糖(マルトース)の甘みは砂糖の35%程度に留まるのに対して還元麦芽糖(マルチトール)は砂糖の85%程度の甘さを示します。

 

こうして見ると、「還元麦芽糖」といういかにも化学物質っぽい名前と相まって水素付加という「人工処理」を施したもので危険性が高いように思えてきます。

 

しかしこれは「人工物は危険!天然は安全!」という固定観念からそう思えてくるだけの話であって、還元麦芽糖に危険性がある根拠にはなりません。

 

還元麦芽糖に危険性があるのか、安全性はあるのかどうかというのは、具体的にどう体に働きかけるのかということを考えた方が良いでしょう。

 

還元麦芽糖(マルチトール)は体の中でどう反応するか

還元麦芽糖を摂取すると、通常の糖とは異なる反応を見せます。

 

還元麦芽糖の減量でもある麦芽糖(マルトース)を摂取すると小腸で吸収されますが、還元麦芽糖(マルチトール)はこれとは違って小腸では10%~20%程度が吸収されるだけに留まり、65%~75%程度は吸収されずに大腸へ届いてビフィズス菌を活性化させ、残りはそのまま体外へ排出されます。

吸収される10%~20%の還元麦芽糖(マルチトール)は、小腸でブドウ糖(グルコース)とソルビトールに分解され、ブドウ糖はそのまま吸収されますがソルビトールはゆっくりと吸収された後にフルクトース(果糖)へと変わります。

 

フルクトース(果糖)はグルコースとは違って血糖値を上昇させず肝臓で直接代謝される糖質です。

 

つまり還元麦芽糖というのは、オリゴ糖と似たような効果を示す糖アルコールとすることが出来ます。

 

オリゴ糖も消化されないでビフィズス菌を活性化する糖質ですからね。

還元麦芽糖(マルチトール)のカロリー

還元麦芽糖(マルチトール)のカロリーは2kcal/gと言われています。

 

これは砂糖の4kcal/gと比べると半分のカロリーとなり、甘さが砂糖の85%くらいあることを考えればこれだけでも十分低カロリーなのですが、10%~20%程度しか吸収されないのにこのカロリーというのはちょっと不思議ですよね。

 

これはおそらく、還元麦芽糖が大腸のビフィズス菌に代謝されて作られる「短鎖脂肪酸」でカロリー変換をしているのではないかと思われます。

 

短鎖脂肪酸は大腸のエネルギーになるので、これもエネルギーとしてカロリー換算することができます。

腸内環境

カロリーが短鎖脂肪酸換算になっているのはオリゴ糖も同じです。

 

オリゴ糖の場合は還元麦芽糖よりも消化・吸収されにくいので、より短鎖脂肪酸を作り出す量は多くなります。

還元麦芽糖(マルチトール)の危険性とは?

水素付加という人工的な処理で作るから危険!」というのは理屈として成り立っていないのでこれはひとまず置いておきましょう。

 

前段の還元麦芽糖(マルチトール)が体にどう働きかけるか?という話を見れば、還元麦芽糖にどんな危険性があるのか、安全性はどうなのかということも何となく見えてきます。

 

多量に取ると血糖値を上昇させる

血液

還元麦芽糖(マルチトール)は10%~20%程度がグルコースとソルビトールに分解されて吸収されますので、当然ですが多量に取れば血糖値を上昇させる危険性は懸念されます。

 

同じ糖アルコールの仲間であるエリスリトールや、味の素が販売する「パルスイート」の主成分でもある人工甘味料のアスパルテームなどがまったく血糖値を上昇させないことと比べるとこの点は注意が必要ですね。

 

それでもただの砂糖と比べるとその吸収される量は1/5以下とごく僅かですし、取りすぎれば何か危険性があるというのはすべての食べ物に言えることで還元麦芽糖に限った話ではありません。

 

実際、糖尿病の患者ですらこのマルチトールを含んだチョコレートを食べている程ですから、常軌を逸した量を取らない限りはこの危険性は心配がないでしょう。

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多量に取ると下痢を引き起こす

子供 腹痛

これは吸収される10~20%の方ではなく、残りの吸収されない方の還元麦芽糖(マルチトール)によって引き起こされる危険性です。

 

糖質は消化・吸収されなければ大腸のビフィズス菌に代謝されて短鎖脂肪酸を生み出してくれます。

 

短鎖脂肪酸は

・腸内を酸性に保って悪玉菌の繁殖を防ぐ
・腸の蠕動運動を活性化させる
・病原菌などの有害物質から守るバリア機能の強化
・余計な脂肪の分解
・糖尿病の予防
・免疫機能の調節によるアレルギー抑制
・大腸がんの予防
・カルシウム吸収を促して骨の強化
・妊娠しやすい体づくり

といった様々な効果をもたらしますが、マルチトールのように「消化できないもの」を大量に取ることで下痢という副作用を引き起こします。

 

これは吸収されないものが大腸に多量に留まることによって浸透圧の関係で水分が吸収できなくなることでもたらされる危険性で、オリゴ糖や他の糖アルコールにも共通して起こるものです。

 

キシリトール配合ガムの成分表を見ると「一度にたくさん食べるとお腹がゆるくなることがあります。」という注意書きがありますよね。

キシリトールが大腸で消化できないことから多量に取ると下痢を引き起こすからです。

 

ただこれも食べ過ぎればお腹を壊す、というごく当たり前のことを言っているに過ぎませんね。

原料が遺伝子組み換え作物の可能性があるから危険?

還元麦芽糖の元の原料である麦芽糖は、とうもろこしやジャガイモのデンプンから作られます。

このとうもろこしやジャガイモが遺伝子組み換え作物である可能性が高いから還元麦芽糖は危険だ!と説明しているサイトがいくつかあります。

 

それは、麦芽糖(マルトース)になった時点で原料である作物の出処が不明になるからなんだそうです。

 

このように「○○な可能性があるから危険」で考え出すとキリがありません。

 

そんなことを言いだしたら「宇宙人が地球を侵略するためにとうもろこしにそっくりな作物を作って地球に送り込み、そこから作られた可能性がある」とも言えます。

こんな荒唐無稽な理屈ですら「絶対にない」とは言い切れるものがないので可能性があるということになってしまいます。いわゆる「悪魔の証明」という話ですね。

 

遺伝子組み換え作物だけでなく人工甘味料の危険性を訴える時も「安全性が確実なことを証明できないから危険性が高い!」と言うのが決まり文句ですね。

 

 

遺伝子組み換え作物の具体的な危険性って?

遺伝子組換え

仮に遺伝子組み換え作物が原料だったとして、遺伝子組み換え作物には具体的にどんな危険性があるのでしょうか?

 

多くのサイトは具体的に「遺伝子組み換え作物はどう危険性があるのか」ということの説明はしていません。

 

調べたところ、遺伝子組み換え作物の危険性も結局挙げたらキリがない「可能性がある」からきています。それは

・安全性が確認されていないから危険な可能性がある
・アレルギーの原因になる可能性がある

というもの。

 

これは「絶対にないことを証明すること」が出来ない以上、遺伝子組み換え作物に限らずすべての食品に言えることです。

 

そもそも遺伝子組み換え作物というのは

・農薬使用量を減らすことが出来る
・収穫量を増やすことが出来る
・劣悪な環境で育つ作物を作ることが出来る

という利点のために作られています。これを「人工的に改良して生態系を壊しているから危険だ!」と言うのならば、イノシシを品種改良して家畜化したにも全く同じことが言えます。

もし遺伝子組み換え作物を危険と言うのならば、豚肉も一切口にしないというのが筋の通った行動と言えますね。

 

以上のことから、還元麦芽糖は取りすぎれば血糖値上昇や下痢の危険性があるものの、常識の範囲内で摂取する分には全く危険性のない安全な物質であると言えます。

還元麦芽糖水飴とは?

最後に還元麦芽糖水飴について触れておきます。

 

元々「水飴」というのは麦芽糖を主成分にして作られるのですが、この水飴のうち「還元麦芽糖が75%以上含まれるもの」のことを還元麦芽糖水飴と言います。

 

還元麦芽糖がどんなものかというのはこれまでの話でわかると思います。

 

「還元麦芽糖水飴」と漢字がつらつらと並んで化学物質のように思えましたが、要するにこれは「普通の水飴よりも低カロリーな水飴」に過ぎないのです。

 

まとめ:還元麦芽糖(マルチトール)の危険性とは?還元麦芽糖水飴とは?

還元麦芽糖(マルチトール)は10~20%が小腸で消化され、残りは大腸でビフィズス菌のエサになる糖アルコールの一種です。

 

取りすぎれば血糖値を上昇させる、下痢になるといった副作用は考えられるものの常識の範囲内の摂取量であれば問題はなく、遺伝子組み換え作物が原料だから危険という理屈は説得力に欠けます。

 

むしろオリゴ糖のようにビフィズス菌のエサになってくれる良い糖質と言えるでしょう。

 

還元麦芽糖水飴は、還元麦芽糖が75%以上含まれた低カロリーな水飴のことです。

 

ただやはり、消化されない糖質ということでしたらオリゴ糖が最も効果的です。

 

還元麦芽糖よりも効果が高いオリゴ糖のことを詳しく知りたいという方は、「そもそもオリゴ糖とは何なのか」という話を参考にしてくださいね。

 

>>オリゴ糖とはそもそも何なのか?具体的な効果は?

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