納豆や豆乳に含まれる「大豆イソフラボン」という成分が女性らしさを向上させてくれるというのは有名な話ですよね。
大豆イソフラボンは女性ホルモンの一種であるエストロゲンと同じ働きをするので、摂取することで美肌やバストアップ、更年期障害の改善などの効果が期待できます。
実は、その大豆イソフラボンは腸内細菌によって「スーパーイソフラボン」とも呼ばれるエクオールという物質に変換されることが分かっています。
エクオールの話は「世界一受けたい授業」や「たけしの家庭の医学」でも取り上げられて段々有名になってきていますね。
エクオールはスーパーイソフラボンという二つ名からも分かるように普通の大豆イソフラボンよりも効果が高いのです。
そして、エクオールを作り出す腸内細菌・エクオール産生菌こそが大豆イソフラボンをうまく生かせるかどうかのカギになるのです。
こちらでは、どうすれば腸内のエクオール産生菌を増やすことができるのか?についてお話していきたいと思います。
目次
エクオールとは
まずは「スーパーイソフラボン」とも呼ばれるほど効果が高いエクオールとは何なのか?という基本的なお話をしていきましょう。
エクオールの元となるのは大豆イソフラボンですが、実はこの大豆イソフラボンにも色々な種類があります。
グリコシド型イソフラボン
グリコシド型イソフラボンは、イソフラボン単体ではなく周りに糖が結合した形のイソフラボンのことです。
納豆、豆腐、豆乳といったお馴染みの大豆食品に含まれるイソフラボンはほとんどがこの形で存在しています。
周囲にくっついている糖を取り除かなければ吸収できないので、胃や小腸では吸収されずに大腸に運ばれます。
大腸の腸内細菌によって糖が代謝されて初めて吸収が可能になるので、その吸収の手間から「低吸収型イソフラボン」とも呼ばれています。
アグリコン型イソフラボン
アグリコン型イソフラボンは、グリコシド型イソフラボンから糖が外された状態のイソフラボンのことを指します。
糖が外れているので胃や小腸で吸収されやすいので「高吸収型イソフラボン」とも呼ばれます。
グリコシド型イソフラボンは腸内細菌によって糖が分解されてアグリコン型イソフラボンになりますが、初めから糖が外された形で存在しているイソフラボンも存在します。
そしてそのアグリコン型イソフラボンはさらに3つに分けることが出来ます。
ゲニステイン
最も強い作用を示すイソフラボン
グリシテイン
エストロゲン作用をほとんど示さないイソフラボン
ダイゼイン
弱いエストロゲン作用を示すイソフラボン
こうして見ると「ゲニステイン」が最も良さそうに思えますが、スーパーイソフラボン「エクオール」へと変化出来るのがダイゼインのみなのです。
イソフラボンを最大限に活かすには腸内環境が大事
糖がついていないアグリコン型のほうが良くて、糖がついているグリコシド型のほうが吸収率が悪いという風によく言われますが、実はそれは定かではありません。
むしろグリコシド型イソフラボンのほうが良いという風にも言われています。
アグリコン型とグリコシド型のどちらが良いのか、はっきりとわからないところもありますが確かなのは
腸内環境を整えることがイソフラボンを最大限に生かすカギになる
ということです。
グリコシド型イソフラボンについている糖を分解するのも腸内細菌ですし、ダイゼインをエクオールへと変換するのも腸内細菌だからです。
そして、腸内環境が悪化していれば大豆イソフラボンを食品で取ってもサプリメントで取っても意味がないということも言えますね。
だから、どちらにしてもイソフラボンを活かすために腸内環境を整えることが必要なのです。
ただ今回はエクオールの話がメインなので、あくまでも「エクオール産生菌を増やす」ということに着目して話をすることにしましょう。
エクオール産生菌の量は生まれつき決まる!?
元々大豆に含まれるイソフラボンの量というのは、大豆全体の2%しかないくらい貴重な成分です。
しかもそのうちのダイゼインのみがエクオールに変わることが出来るのです。
これだけ貴重なダイゼインも、エクオールへと変換する「エクオール産生菌」が腸内に無ければ意味がありません。
日本人の中でエクオール産生菌を豊富に持っていてエクオールを作りだすことができる人の割合は50%と言われています。
これは世界基準で見ると多い方で、欧米や中国では20~30%程度しかエクオール産生菌を持っていないのです。
そして腸内細菌の比率というのは小さい頃にある程度決まってしまうので、大人になってからでは新しい菌を定着させるのは難しいというのが通説です。
となるとエクオール産生菌があるかどうかは生まれつきで決まってしまうのでしょうか?
・腸内細菌が小さい頃にある程度決まってしまう
・国ごとにエクオール産生菌を持っている人の比率が違う
これらの事実は、エクオール産生菌の有無が生まれつき決まってしまうということの裏付けになり得ます。
しかし、エクオール産生菌が無くてエクオールを作れなかった人が納豆を毎日食べることでエクオールが検出されるようになったという報告があります。
日本ではエクオール産生菌について大規模な実験が行われたことがないのでこれからの研究が望まれるところですが、これはエクオール産生菌を後から増やすことが出来るということを示しているのではないでしょうか。
大豆をよく食べる人ほどエクオール産生菌が多い!
日本人のエクオール産生能を年代ごとに分けた表を見ると
こんな風に、10代・20代の若い世代が特に低く、上の年代になるにつれてエクオール産生能が上がっています。
これは年代別の豆類摂取量の表に比例しています。
さらに、大豆を毎日食べる人とそうではない人のエクオール産生能を比べると
大豆を毎日食べる人のほうが2倍近くエクオール産生菌がある人が多いということも報告されています。
さらに言うと、普段納豆をあまり食さない関西地方の人は関東の人よりもエクオール産生菌が少ないということが分かっています。
これらの事実も、エクオール産生菌は生活習慣で増やすことが可能ということを表しています。
とはいえ大豆を食べたからといって即エクオール産生菌が増えるというわけではありません。
もちろん、食べないよりは食べたほうが良いでしょうが過度な期待をするのは禁物ですね。
エクオール産生菌にはどんな種類があるのか
では、具体的にエクオール産生菌とはどんな腸内細菌なのかということを説明していきましょう。
エクオール産生菌、つまりダイゼインをエクオールへと変換する腸内細菌はこれまでに10種類以上が確認されていますが、その中でもとりわけ重要とされているのが3つの腸内細菌です。
その3つのエクオール産生菌は
- 乳酸菌ラクトコッカス20-92
- ビフィズス菌ブレーベ15700
- ビフィズス菌bb536
です。
1.乳酸菌ラクトコッカス20-92
乳酸菌ラクトコッカス20-92は、ポカリスエットでおなじみの大塚製薬が2002年に初めて単離に成功したエクオール産生菌です。
これはイタリアのチーズからも発見された乳酸菌なので安全です。
乳酸菌ラクトコッカス20-92は大塚製薬が2014年から販売しているエクエルというサプリメントで摂ることが出来ます。
推奨摂取量は1日4粒で、1ケースに112粒(28日分)で4320円なので少々値段が高め。
2.ビフィズス菌ブレーベ15700
ビフィズス菌ブレーベ15700は、ヤクルトが独自に強化・培養したビフィズス菌で、ヤクルトが発売するミルミルなどに含まれています。
3.ビフィズス菌bb536
ビフィズス菌bb536は、森永乳業が1969年に健康な日本人の赤ちゃんの腸から分離したビフィズス菌で、一般的に「生きたまま腸に届くビフィズス菌」と言われているのはこのビフィズス菌bb536です。
bb536は森永乳業のビヒダスなどに含まれています。
どれか一つ選ぶならbb536!
エクオール産生菌の中でも代表的なものを3種類挙げましたが、どれを増やせばいいのか迷いますよね。
全部増やすことが出来るのが一番良いですが、どれか一つを選ぶならビフィズス菌bb536です。
まず最初に除外されるのは乳酸菌ラクトコッカス。
乳酸菌とビフィズス菌って似たようなものに思えますが、生体内での反応が異なることから完全に別物です。
そして、腸内に潜む善玉菌のうちビフィズス菌が99.9%を占めており、乳酸菌の割合は0.01%以下です。
それはつまり乳酸菌を外部から取り入れてもその均衡を大きく崩すことはなく、劇的な効果が出ないということです。
次にブレーベとbb536のビフィズス菌同士の比較ですが、ビフィズス菌ブレーベは赤ちゃんの時に最も腸内に多く、成長するにつれてどんどん減っていくビフィズス菌で、これも成人の腸内で大きく繁殖するということはあまり考えられません。
一方で、残ったbb536のようなロンガム種と呼ばれるビフィズス菌は成人になるとその割合が増えていきます。
だからbb536こそが最も優れたエクオール産生菌となります。
ビフィズス菌bb536を含むエクオールサプリなら「ノムダス」
ビフィズス菌bb536を含むエクオールサプリをお求めなら「ノムダス」がおすすめです。
エクオール産生菌を取るということはエクオールに変換するためのエサである「大豆イソフラボン」を取らないと意味がないのですが、ノムダスには黒大豆も含まれているのでその点は心配要りません。
しかもノムダスに含まれる黒大豆は先ほどの話で言う「アグリコン型」、つまり糖を分離した吸収しやすい大豆イソフラボンを含んでおります。
さらにはおおばこ種皮、菊芋、デキストリンといった食物繊維、エクオール産生菌の機能をサポ―0とするEC-12乳酸菌などを配合しており、腸内環境を整えることで自力でエクオール産生菌を生み出す体づくりのサポートも出来ます。
エクオール産生菌を満遍なく増やすならオリゴ糖
腸のビフィズス菌を満遍なく増やし、エクオール産生菌もバランスよく増やしたいならオリゴ糖がオススメです。
オリゴ糖のような難消化性の糖質はビフィズス菌のエサになってその数を増殖してくれます。
実際にフラクトオリゴ糖とイソフラボンを同時に摂取することで血液中のエクオール濃度が高くなったという報告がされています。
オリゴ糖の中でも、色々な種類のオリゴ糖をブレンドして全てのビフィズス菌を活性化できるオリゴ糖がオススメです。
これは私自身も使っているオリゴ糖で、実際に使ってみての感想なども書いています。
オリゴ糖はエクオール産生菌だけを増やすのではなく色々な種類の善玉菌を増やして体のトータルケアが出来ます。
それはオリゴ糖によってビフィズス菌が活性化して短鎖脂肪酸が生み出されることによる効果なのですが・・・詳しい話はオリゴ糖の効果の話を参考にしてください。
オリゴ糖による腸内環境の改善はグリコシド型のイソフラボンの糖を分解する能力の向上にもつながることもあって個人的には一番オススメなのですが、「エクオール産生菌のみを増やしたい」という人にとっては少々回りくどい方法ですね。
横着してエクオールを直接取るサプリメントなら「クオリア」
今までお話したのはあくまでも「エクオール産生菌を増やす」という方法で、エクオールを増やすにはその元となるダイゼインを取らなければなりません(ノムダスは黒大豆も一緒に取れますけどね)。
しかし、そもそも大豆に含まれるイソフラボンは全体のうちの2%しか存在せず、食べ物で補おうとするとなかなか骨が折れます。
そのような人のために、直接エクオールを取ってしまおうという考えもありますね。
エクオールをそのまま取ることが出来れば、例えエクオール産生菌が無くても安心です。
幸いにして、大豆イソフラボンに特殊な発酵加工を施すことでエクオールをそのまま取ることが可能なサプリメントが存在します。
それは、クオリアというサプリメントです。
クオリアはエクオール産生菌を増やすのではなく「エクオールをそのまま取る」ことが出来るサプリメントですが、それだけではありません。
通常、エクオールのサプリメントというのは主に30代~60代くらいの人を対象に「更年期障害」の改善を目的としたものが多いのですが、このクオリアは他のエクオールサプリメントと比べると「女性らしさの向上」に重きを置いています。
どういうことなのかというと、クオリアはエクオールの他に「プエラリア」という成分も一緒に取ることが出来ます。
プエラリアもエクオールと同じように女性らしさを向上させる成分で、バストアップサプリによく使われているものですね。
プエラリアの効果は大豆イソフラボンの40倍とも言われているほどです。
だからクオリアは更年期障害とそれほど関係のない20代の若い女性が使えるエクオールサプリメントになっています。
もちろん50代や60代の女性でも更年期障害の改善に効果がありますよ。
まとめ:エクオール産生菌を増やすサプリメントは?そもそもエクオールとは
「スーパーイソフラボン」とも呼ばれるエクオールは、大豆に含まれるダイゼインが腸内のエクオール産生菌によって変換されることで作られます。
エクオール産生菌には10種類以上のものがありますが重要なのは
- 乳酸菌ラクトコッカス20-92
- ビフィズス菌ブレーベ15700
- ビフィズス菌bb536
の3つで、その中でもビフィズス菌bb536が最も重要と言えます。
ビフィズス菌bb536を取れるエクオールサプリメントならノムダスが、すべてのエクオール産生菌をまんべんなく増やすならオリゴ糖がオススメで、それよりもエクオールそのものを直接取りたい!という人にはクオリアがおすすめです。