納豆や豆乳など大豆食品の説明を見ていると「大豆オリゴ糖」という言葉をよく目にします。
まあその名前の通り「大豆に含まれているオリゴ糖」だから大豆オリゴ糖なのでしょうが、具体的にこの大豆オリゴ糖とはどんな種類のオリゴ糖なのでしょうか?
私自身も、ほかの種類のオリゴ糖については結構知識があるつもりでしたが実はこの大豆オリゴ糖とは何なのか?ということについてあまりよく知らなかったので調べて情報を書いていきたいと思います。
大豆オリゴ糖とは
大豆オリゴ糖とは何なのかと言うと、これは特定のオリゴ糖のことを指すのではなくあくまでも「大豆に含まれるオリゴ糖全般」のことを指す言葉のようです。
そして大豆に含まれるオリゴ糖というのは、具体的にはラフィノースとスタキオースというものです(スクロース及びその他の糖も含まれる)。
ラフィノースは当サイトでは「=(イコール)ビートオリゴ糖」と言う風に説明をしておりますが、実はこれも正確な表現ではなくビート(甜菜)に含まれるオリゴ糖の主成分がラフィノースのため、ラフィノース≒ビートオリゴ糖としていただけなのです。

スタキオースというのは、そのラフィノースにガラクトースが1つ付いた構造をしているオリゴ糖です。一つ一つに分解するならグルコース、フルクトース、ガラクトース2つからなる4糖ということになりますね。
大豆オリゴ糖の作り方
大豆オリゴ糖はどのようにして作られるのかと言うと、大豆本体から抽出されるのではなく大豆をタンパク質と脂質に分離することでつくられる大豆ホエーという液体から抽出して作られます。
抽出して作られる大豆オリゴ糖は23%がスタキオース、7%がラフィノースという構造になっています。
では残りの70%は何なのかというと、おそらくこれはショ糖(スクロース)です。
というのも大豆オリゴ糖の甘さについて「ショ糖の7割の甘さを持つ」という説明をしているところがほとんどだったのですが、すると残りの7割がスクロースだとするとこの説明との整合性が取れるからです。
ラフィノース自体の甘さはスクロースの1/5で、スタキオースはラフィノースよりもさらに複雑な構造をしていることからそこまで甘さは大きくないでしょう。
大豆オリゴ糖のカロリーが3kcal/gと、スクロースの4kcal/gと近いことからもスクロースが含まれる量が7割程度になっていることが分かります。
大豆オリゴ糖の効果はそこまで高くないが・・・
「大豆オリゴ糖は少量でも効果がある」という説明をしているサイトが多いですが、私はこれに疑問を持っています。
確かにラフィノースとスタキオースを構成する単糖類はグルコース、フルクトース、ガラクトースの3つなので腸内環境改善効果は高いです。
だからオリゴ糖全般が持つ短鎖脂肪酸を生み出すことによる便秘改善効果、ダイエット効果などをある程度示すでしょう。
しかしそれらは30%しか含まれておらず残りの70%が消化性のスクロースだとすると、大豆オリゴ糖にはそれほど大きな効果は期待できないように思えるのです。
ラフィノースとスタキオースを高純度で抽出出来るというのならばまた話は別なのですが。
しかも大豆丸ごとに含まれているオリゴ糖を考えるとさらに純度は低くなるでしょう。
そもそも大豆って皆さんご存知の通りそんなに甘くないですよね。
大豆にはそれよりも、大豆イソフラボンを腸内細菌が発酵することで作られるエクオールの方に大きな効果が期待できます。
エクオールは「スーパーイソフラボン」とも呼ばれるほど効果の高いイソフラボンで、女性ホルモンを活性化させて美肌、バストアップ、更年期障害などに効果があるとされていますね。
だからたとえ大豆オリゴ糖そのものにそれほど高い効果がなかったとしても、大豆イソフラボン、エクオールによる健康効果は期待できるので食べることは決して無駄ではないと思います。
まあ、その大豆イソフラボンからエクオールを作る腸内細菌がなければ意味がないのですが。
この辺りの話もエクオールの話で詳しくしていますので参考までに。
まとめ:大豆オリゴ糖とは何なのか?効果は高いとされているけど・・・
大豆オリゴ糖とは何なのか?ということですが、具体的にはスタキオース、ラフィノース、ショ糖などの糖を含む複合物質のことを指します。
ただ「甘さがショ糖の7割」と言われていることからショ糖が7割程度含まれていることが予想されるのでオリゴ糖としての効果はそれほど高くないでしょう。
ただし大豆にはイソフラボンが含まれており、そのイソフラボンが腸内細菌によってエクオールに代謝されることによる健康効果が期待できます。