コーヒーといえばカフェイン。カフェインといえばコーヒー。
このように両者の関係というのは相互に結びついているイメージがありますね。
コーヒーの飲み過ぎはそのカフェインの覚醒作用になり「夜眠れなくなる」などの副作用は容易に想像ができますが、眠れないだけではなくカフェインが下痢や吐き気を引き起こしたり、時には病気をも引き起こすとも言われています。
本当にそうなのでしょうか?
こちらではコーヒーに含まれるカフェインと下痢の関係、及び飲み過ぎによる吐き気や病気との関係をお話していきたいと思います。
目次
カフェインが下痢を引き起こす?それとも便秘?
コーヒーに含まれるカフェインが下痢を引き起こすというのは本当なのでしょうか?
黒烏龍茶の話のときには、カフェインがもつ利尿作用により体中の水分を必要以上に排出してしまうため便が固くなり、下痢とは逆に便秘を引き起こしてしまうという風にお話しました。
カフェインにより下痢になるか便秘になるかというのは、これは結局のところ「人による」という身も蓋もない結論になりそうです。
カフェインの利尿作用により体の水分が排出されてしまうというのも確かですが、その一方で「カフェインが体にとって刺激物である」という事実もあります。この刺激物であるカフェインが合うか合わないかは体質によるのです。
コーヒーの飲み過ぎによってカフェインを短時間に多量に摂取することで起こる「カフェイン中毒」なる病気もありますが、これは正に体質により、元々カフェインに対してアレルギーを持つカフェインに弱い人がなってしまうのです。
だから元々カフェインが合わない体質の場合は下痢になりやすいですし、それほど刺激に感じない体質であっても取りすぎることで下痢になったり、反対に便秘になってしまったりします。
また、カフェインが自律神経の1つである交感神経を刺激することも考えられます。自律神経が不安定になれば下痢になったり便秘になったりとどちらにも転んでしまうというわけですね。
ただまあ、食べたり飲んだりすることで体に何らかの副作用をもたらし、しかもその症状が人によるというのはコーヒーに含まれるカフェインに限った話ではなく、すべての食べ物・飲み物に言える話ですよね。
結局はカフェインによる下痢にしても便秘にしても、適量を守って摂取していればそうは起こらない副作用なのではないか、と個人的には考えています。
やはりカフェインは体に本来必要のない栄養素であって、刺激物だということは確かです。なのでコーヒーの飲み過ぎには十分注意しましょうね。特にコーヒーというのは一日に割りとガブガブ飲み過ぎてしまうことがある飲み物ですから。
コーヒーの飲み過ぎによる病気・吐き気とは
コーヒーの飲み過ぎが体には良くないというのはイメージとしてもわかると思います。
それは前段の下痢になってしまうという話とも通じますが、やはりコーヒーに含まれるカフェインが原因で飲み過ぎにより様々な病気を引き起こすと思われています。
カフェイン中毒
前段の話でも少し出たカフェイン中毒は、やはりコーヒーの飲み過ぎによって引き起こされる病気として考えられる代表的な存在と言えるでしょう。
コーヒーにカフェインが含まれる=コーヒーを飲みすぎるとカフェイン中毒になる という簡単な図式ですね。
では具体的にコーヒーにはどれくらいのカフェインが含まれていてどのくらいの量のカフェインを摂取するとカフェイン中毒になるのでしょうか?
過去にエナジードリンク「レッドブル」の短時間での大量摂取により、急性カフェイン中毒を引き起こして死に至った男性がいたというニュースが有りましたが、この男性は経口摂取によるカフェイン中毒での致死量3g(3000mg)をレッドブルによって摂取していたことが予想されます。
まあ死に至るほどの量であるカフェイン3g(3000mg)を摂取することは通常ないですが、1日に250mgのカフェインを摂取することで焦燥感、神経過敏、不眠、顔面紅潮、吐き気などの症状を引き起こすことが考えられます。最も軽微なカフェイン中毒というわけですね。
ではコーヒーにはどれくらいのカフェインが含まれているのかというと、100g中に60mgのカフェインを含むとされています。
すると、100gのコーヒーを5杯飲むことで軽いカフェイン中毒になる可能性があるということですね。
ただ1日に5杯のコーヒーというのは普通の感覚で言うと「飲み過ぎ」の部類に入るのではないでしょうか。
通常コーヒーを飲むとしても朝、食後、あるいはおやつの時くらいで夜はカフェインで眠れなくなるから飲みませんよね。となると、朝に2杯、食後に2杯、おやつの時に1杯のコーヒーを飲むということです。
余程のコーヒー好きでない限りは朝に2杯、食後に2杯というのはそうそう飲まない量でしょう。朝は特に出勤前や通学前などで忙しいくて2杯も飲んでいる暇はなさそうですし、食後に2杯も飲むこともあまり考えられません。通常の感覚だと1日にコーヒー5杯は飲み過ぎですね。
しかもこれはブラックコーヒーの話なので、ミルクで割ったりするカフェオレや市販の缶コーヒーだとまた話が違ってくるのでしょう。(ただし、インスタントコーヒーよりもドリップコーヒーのほうが含まれるカフェインの量が多いので少量でも中毒を引き起こす危険性は高まります。)
コーヒーを飲み過ぎればカフェイン中毒になるという字面は確かに正しいですが、普通の量を守っていればコーヒーの飲み過ぎによるカフェイン中毒というのはそう起こらないでしょう。
むしろコーヒーよりも抹茶や玉露といった濃いお茶のほうが含まれているカフェインの量はずっと多く、カフェイン中毒を引き起こす危険性は高まります(玉露は100g中160gm、抹茶は100g中3.2g)。
吐き気
コーヒーの飲み過ぎによって引き起こされる吐き気はカフェイン中毒の症状の一種でもあります。
ただコーヒーの飲み過ぎによって引き起こされる吐き気の原因というのはいくつか考えられます。
①胃酸過多による吐き気
コーヒーに含まれるカフェインには胃酸の分泌を促す効果があります。それ自体は消化を促すということで悪くないのですが、コーヒーを飲みすぎてカフェインを過剰摂取すると必要以上の胃酸が分泌されてしまい、それが吐き気の原因となるのです。
この胃酸過多は吐き気だけでなく、例えば空腹時にコーヒーを飲みすぎることで胃液によって胃壁が荒れて胃痛を引き起こすという危険性も考えられます。
また、カフェインレスコーヒーでも胃酸の分泌が促進されることから「クロロゲン酸」が吐き気の原因ではないか、とするところもあります。
カフェインありのコーヒーとカフェインなしのコーヒーの比較もしていないので何とも言えませんが、物を食べたり飲んだりしたら少なからず胃酸の分泌は促進されるのではないでしょうか。
②酸化した古いコーヒーを飲んだことによる吐き気
単純に酸化して劣化したコーヒーを飲むことでも吐き気を催すことがあります。
コーヒー豆というのは野菜や果物のように時間が経っても見た目が大きく変わるということはありませんが、酸化して質が悪くなっていきます。
見た目にはわからないけども実際の飲むことで吐き気を催して酸化していたことに気づく、というわけですね。これは単に豆を焙煎してからの時間だけでなく、カフェや家で入れたコーヒーを放置することでも酸化が進んで、飲むことで吐き気を催す危険性が高まります。
③カフェイン中毒による吐き気
これは前段のお話でもでたコーヒーの飲み過ぎによるカフェイン中毒の症状ですね。
膀胱がん?
コーヒーの飲み過ぎにより膀胱がんを引き起こすリスクが有るのではないか、という統計が国立がん研究センターにより出されています。
がんとなったら、これはもうコーヒーがもたらす病気の中でも最も重い病気と言えるでしょうね。しかも国立がん研究センターという信頼性のおける機関の発表となると無視できません。
参考:がん国立研究センター
がん国立センターの発表によれば、「タバコを吸わずかつコーヒーを1日に1杯以上のコーヒーを飲む人」と「タバコを吸わず、コーヒーも飲まない人」を比較した場合に前者のほうが約2倍ほど膀胱がんのリスクが高まったというのです。
しかしその一方で、コーヒーを1日1杯飲む人は飲まない人に比べて肝臓がんを発症する確率が半分になるというがんの予防効果も謳われています。
膀胱がんを取るか、肝臓がんを取るか、という話なのでしょうか・・・どちらかというと肝臓のほうが重要な臓器という気がしないでもないです。
一方で良い効果産み、もう一方で悪い効果を産むというのはすべての食べ物に言えることですから、これに関してはあまり気にしすぎない方が良いのではないでしょうか。
総じて言えるのは、やはりなんでも食べ過ぎたり飲み過ぎたりすれば何らかのリスクがあるということですね。コーヒーも飲み過ぎに注意して節度を守って飲んでいきましょう。
まとめ:コーヒーのカフェインが下痢の原因に?飲み過ぎが吐き気や病気を引き起こす?
コーヒーのカフェインと下痢・便秘との関係や飲み過ぎによって引き起こされる病気についてお話してきましたが、まとめると
・コーヒーのカフェインは異物なので人によっては下痢を引き起こしたり便秘を引き起こす
・コーヒーの飲み過ぎによるカフェイン中毒は正常な量を飲んでいる限りは起こらない
・コーヒーを飲み過ぎると吐き気を催す危険性がある
・コーヒーによるがんのリスクは気にしなくていい
ということですね。コーヒーの飲み過ぎで吐き気を催したら、水を飲むことで和らぐので試してみてください。